熊谷徹(2018)「イスラエルがすごい」新潮社を読んで
こんにちは。
初となる書評記事です。
「イスラエルがすごい」という本を読みました。
私は、アラブ・イスラエル紛争について研究していて、
イスラエルのその強さの原因はどこだろうと常々疑問に思っていたので、手に取ってみました。
要点
イスラエルは、IT系(AI、自動運転、セキュリティ等)において優れており、多くのベンチャー企業が誕生するイノベーション大国としての側面が強い。4000社を超えるベンチャー企業が誕生し、それらに対し巨額の資金が流入している。教育、研究に対する意気込みやVCの大きさは特筆すべきである。
1、イスラエルは敵対国に囲まれていることから生まれる危機感と祖国を守る意識が違う。
イスラエルは徴兵制の国である。イスラエルはその徴兵の間に、優秀な若者を見極め、8300部隊という諜報活動を行うアメリカのNSAのような部署に配属する。
8300部隊から退役したエリートが起業し、イスラエルのイノベーションを支えている。
イスラエル軍がエリート企業家の養成校としての役割をもっている。
2、迫害とディアスポラの歴史から自分自身の力をもって生きていくことに対する意識が違う。
イスラエル国民は歯に衣を着させない物言いで意見を主張する国民性である。それはイスラエル国民が差別の中で、自力で自由を勝ち取らなければならなかった歴史に起因するものである。
イスラエルの技術や知にインテルなどの企業や、ドイツや中国がつぎつぎと提携し、手を取り合うようになっていった。アメリカや中国、イスラエルがイスラエルの技術を得るために積極的に提携するようになってきた。
日本はアラブ産油国に対する忖度や、自国内生産への執着などから、対イスラエル交友関係構築に関しては出遅れ気味。
日本はイスラエルをはじめ外国の情報に対して疎い、内向的な部分が多くなってきている。(マスコミなど)
日本もイスラエルについてよく知って学ぶべき。
うーん。
書評ブログやっているひとってすごいなぁ。